【矯正相談】抜歯する理由は!?どうして健康な歯を抜くの?

患者さん
患者さん

歯列矯正で歯を抜かなきゃいけない

と言われたけど…正直イヤ!

歯科医師たけこ
歯科医師たけこ

すごく分かります!

健康な歯を抜くのってイヤですよね!

このブログに来て下さってる方はお口の健康への意識も高く、デンタルリテラシー(っていうのかな?)が高いと思います!歯列矯正で健康な歯を抜くのっていいの?って思いますよね。歯列矯正は抜歯が必要な場合があります!今回はどうして健康な歯を抜歯するのかについてご説明します!

抜歯はどうして必要?

1.歯が顎のサイズより大きい

顎のサイズが小さいか、歯が顎のサイズより大きく並びきらないため歯ガタガタになっている場合抜歯が必要です。

2.上顎と下顎の歯のズレが大きい

上顎と下顎の位置のズレが大きい場合。例えば、上顎の位置が前に出ている場合、出っ歯さんの状況になります。前歯を引っ込めるためには、歯を大きく動かす必要があるので抜歯が必要となります。

3.歯の傾きが大きく、前に出ている

顎の位置は正常、一見キレイに歯が並んでいるように見えて、上下の前歯の傾きが前に出ている場合抜歯します。(上下顎前突)

どの歯を抜歯するの?

前から4番目の歯(第1小臼歯)を抜歯する事が多いです。

前から3番目までの前歯は特徴的な形をしています。抜歯しても機能的にも審美的にも比較的問題がないと言われている歯が、この4番(第1小臼歯)です。場合によっては前から5番目の第二小臼歯の抜歯もあります。歯列矯正の長い歴史の中でも、抜歯は一般的な治療として行われてきています。

変則的な抜歯

健康な歯は出来るだけ残したいのが本音です。根っこの治療をしている歯や大きな虫歯のある歯を選んで、変則的に5番(第二小臼歯)を抜歯したり前歯や奥歯の抜歯を選択することもあります。

抜歯しないとどうなる?

抜歯しなかった場合、歯を並べる隙間がなくなり歯の動きは前と横に広がります。

1.前歯が前に出て来る。

見た目を良くしたいと思って始めた歯列矯正なのに、結果前歯が前に出て口元がもっこりする可能性があります。

2.歯ぐきが下がる(痩せる

隙間のないところに無理矢理、歯を並べると歯が骨や歯ぐきの外側にずれてしまいます。結果、歯ぐきが下がる(痩せる)事があります。

3.再治療が必要になる

無理に抜歯をせずに治療すると、前歯や奥歯が横に倒れて噛み合わせに不具合が出る可能性があります。結果が不十分な治療になった場合、再度治療が必要な方もいます。その場合治療期間は余分にかかってしまいます。

バッカルコリドー(頬壁buccal corridors)って知ってますか?

笑った時に歯と口角の間にできる空間の事を言います。この空間で笑顔の印象が変わります。

空間が少ない:歯がしっかりと見えて華やかな笑顔の方が多いです。歯を抜かない治療は横に歯列を広げるので、こちらのタイプになる方が多いです。海外の論文では、少ない方が印象が良いとの結果が多く出てますね。ハリウッド女優さんに多いかな。

空間が大きい:歯の印象は少なく、優しい笑顔になる方が多いです。笑うと口角が上がる方は空間も大きくなるイメージがあります。日本の女優さんはこちらのタイプが多いかな。

ここだけのお話:大きな歯の方が抜歯せず無理に治療した場合、バッカルコリドーがなくなり笑った時の歯の印象が強くなります。歯の印象が強くなりすぎるのもどうかな?と個人的には思っていて…無理矢理の非抜歯治療はしていません。矯正医にも色々な考え方があるので、賛否分かれるところです。

笑顔の指標にはスマイルラインや歯ぐきの出かたなど色々あります。このバッカルコリドーにも意識した治療を心がけたいです。

抜歯したくない場合は?

前、横、後ろに歯を送るの3つになります!歯科矯正用アンカスクリューを骨に打って歯を後ろに移動させます。ただ、後ろに移動するのは本当に難しい!時間もかかるし、患者さんの骨の状態や歯の動きやすさに左右されるので歯科医師側も何ミリ動かせるか予測が難しいです。

歯を抜かずに治療できます!のデメリット

抜歯せず治療できた〜嬉しい!という患者さんの話も聞くと、抜歯せず歯列矯正できたら1番良いですよね。

子どもの時から治療を開始すると骨の成長を促してあげれるので、歯を抜かない歯列矯正も可能な場合もあります。

しかし、大人の矯正治療では難しいことが多いです。ご自身で歯を絶対抜きたくない!と思っても抜歯をしないと逆に他の歯にや歯ぐきに悪影響が出てしまう可能性もあります。

最近では歯科矯正用アンカスクリューで歯を後ろに移動できる技術も発展してるので、今まで出来なかった事が治療できるようにもなってきています。(難易度高め)

歯を抜かずに治療できます!と記載のある歯科医院でも、ご自身の状況が歯のガタガタが大きい、前歯がすでに出ている場合などは歯を抜かずに治療するデメリットも是非聞いてください!

抜歯した隙間はどれぐらいでなくなる?

歯のガタガタが大きい方ほど、隙間に歯がスーっと動いてくれて半年ぐらいで隙間がなくなる場合もあります。

歯科の専門的な話になると抜いた歯の大きさは約7ミリなので、1ヶ月1ミリ動くとしたら最短でも7ヶ月かかります。これは個人差がある事と何本歯を動かすかによって変わって来る事なので一概には言えないです!1年以上かかる方も中にはいます!

抜歯の料金

歯列矯正に伴う抜歯は自費です!

1本5000円〜です。医院によって違うので十分に料金を確認する事をおすすめします。

たけこのつぶやき

抜歯せずに治療できます!非抜歯でやりましょう!という歯科医師の甘い誘惑(←と私は呼んでいます)だけを信用せずにご自身の歯や顎は現状どういう状態なのか見極めが大切です。

誰しも抜歯せずに治療したいものです!

特に自分よりも子どもさんの歯列矯正で歯を抜きましょう!と言われたら困惑しますよね。

子を持つ母として私も同じ気持ちです。

ですが、無理矢理歯を抜かない治療して起こるリスクも知っておいて下さい。

もちろん歯を抜かなくて状態であるなら、なお良いですよね!

歯科医師の見極めが大切です!

以上【歯列矯正】抜歯する理由は!?どうして健康な歯を抜くの?でした。

最後まで記事を読んでくださってありがとうございます!

また来てくださいね〜。

たけこ

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